徒然博士の日常

体験の言語化や自己啓発用

博士号取得者が修士生に混じって一般企業に就職した話【配属ガチャ編】

日本の新入社員が直面するであろう「配属ガチャ」。今回は博士で就職しても配属ガチャにあった体験を記す。どこにでもある話かもしれないが、今後の同胞をつくらないためにも、参考になればいいかと。

 

就職企業について

自動車関連の大企業。大変革期の自動車業界において、多種多様な製品を手掛け高い技術力で時代を乗り切れそう、かつ自分も技術を身に付けられるのでは、という思いで入社した。

 

採用方式

分野特化型の募集もあるが、大部分はいわゆる「何でも屋」「ジェネラリスト」採用。会社では研究分野と違った専門を身に付けたいという思いでこの採用枠を狙い、入社した。

配属まで

 集合研修を計1.5か月程度実施し、その後、工場現場での3か月の研修に入る。

この時点で、担当製品すら決まっていない状態で「とりあえず現場から学べ」ということで、脳みそをあまり使わない単純作業を強いられるのである。(夜勤もあるからお金はがっぽりもらえる。)

また、配属後は「担当製品を学ぶため」に現場実習をもう一度強いられる。いわゆる「おかわり実習」である。新卒社員をないがしろにするこのような日本企業のダメな点に関しては、別途記事を書く予定。

 

配属について

8月の末まで工場実習を行い、その間に一度だけ配属面談を行う。事前に配属希望を出しており、それをもとに変化があったのかどうかを聞かれる程度で、あまり配属に作用するとは思えないものである。筆者は先行開発の職種を希望したが、志望のカテゴリが「研究」「開発・設計」・・・となっているので、「開発・設計」を選ぶほかなかった。面談官には「設計を意図した選択ではない」との旨を伝えたが、その時面談官がノートにメモするために机上に置かれた右手は動かなかった。

 

いざ配属

待ちに待った配属発表。

これで自分のキャリアが決まる・・・

発表される際に技術系社員がホールに集められたが、皆、不安と期待で何とも言えない高揚感をにおわせていた。

自分の名前が呼ばれたときは頭が真っ白になった。あまり聞きなれない部署の名前であったからだ。聞くところによると、設計がメインの部署らしい。

「これが噂に聞く配属ガチャか。まあ希望の製品群には属しているし、何かしらは学べることはあるのだろう。」

そんな気持ちで、配属先の部署での生活が始まった。

 

配属の中でのガチャ

のちに聞いた話であるが、部からの要望と新入社員の志望がバランスした結果、何人か新入社員が一つの部に配属される。しかし、部はいくつかの室からなり、室長が部に配属された社員の中からドラフト制で社員を選ぶらしい。まさにこのフェーズで2回目の「配属ガチャ」が実施される。

その結果、筆者がたどり着いたのは、文系に近い調整業務を主に行っている部署で、製図はおろか製品の試験や解析も行わないところであった。もろくも「新しい技術を身に付ける」という野望は、社内制度を利用して自分の意志で転属するまでの向こう数年の間、打ち砕かれて放置されることになる。

 

そして現在の転職活動に至る。

 

大きい会社であるので、仕方のないことではあるが、自分の意志で決定できていない事象に関しては、自分で決めて行動した時と比べ、物事が悪い方向に転んだ場合のショック(無力感に近い)は大きい と思う。

最近読んだ「神トーク」(星 渉著)https://www.amazon.co.jp/dp/B07V2KV7MM/ref=dp-kindle-redirect?_encoding=UTF8&btkr=1

にも同じようなこと書いてたな。

 

 

結論

「配属ガチャ」は企業によっちゃ2回以上あるので、良・悪の2段階評価としても最終的に「良」の配属先に行く確率なんて1/4以下の話。採用コースはそれだけ重要だからこれからの人たちはここんとこ真剣に考えた方が良いよ、というお話でした。

 

博士の一年目の転職についてはまた次回に投稿します。

あんまり解決策のないネガキャンをしても仕方ないので、もっと先行き明るい話をする予定です。。。