徒然博士の日常

体験の言語化や自己啓発用

3泊4日で禅の修行体験に行ってみた

3泊4日で禅の修行体験に行ってきました。お世話になったのは京都にある宝泉寺。半分勢いで申し込みましたが、非常に有意義な時間を過ごしました。

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お世話になったお寺。


筆者のほかに同じ時期の参加者は4名でそれまで連泊していた数名と2日目以降に参加された方の合計10名弱での修行となりました。
対応してくれた常駐さんは3名でいずれも若い方でした。

普段は20~30名程度で集団生活を行うとのことでしたが、今回はコロナの影響もあり、全員個室での宿泊でお経も修行者が読むことはなく、非常にコロナ対策に気を遣われていました。
普段は禅堂で雑魚寝で生活するらしいです。


参加者の年齢層は10代~70代と幅広く、意外にも愛知から来られた方が多かった印象です。(愛知にはどれだけ救いを求める人がいるのだろうか…)
参加者の応募動機も千差万別で非常に多くの価値観に触れることができ、また全員非常に気さくで楽しい時間を共有させて頂きました。


筆者自身、俗にいう「マインドフルネス」を日々の生活で取り入れようと書籍やYoutube等をみて試してみたりもしましたが中々続かず、今回は坐禅に集中的に取り組めたので非常に良かったと思います。

一日のスケジュール

一日目

14:45 集合。規定や施設の説明

15:30 食事作法や室内作法説明のビデオ視聴。その他館内説明。

17:00 薬石(夕食)

18:00 和尚様による法話坐禅指導

20:00 坐禅・開枕(作法上の就寝)

20:40 茶礼(歓談と入浴等就寝前の準備)

21:55 開枕(消灯)

二、三日目

5:20 開静(起床)・洗面

5:40 八段錦(太極拳)

6:00 坐禅

7:00 和尚様による法話坐禅指導

7:20 坐禅・開枕(作法上の就寝)

7:50 粥座(朝食)

~小休憩~

9:00 作務割り当て・作務(労働・奉仕活動)

11:30 片付け・小坐禅

12:00 斎座(昼食)

12:40 自由時間(外出OK)
~~~
16:45 坐禅

以降は初日と同様のスケジュール
最終日は作務を始める手前まで二、三日目のスケジュールと同様に粥座まで参加し下山する流れとなります。

ーーーーーーー

朝食と夕食は正座で素早く食べます。
夕食のみ他と違い「〇座」ではなく「薬石」という名前になっています。これは、そもそも仏門では正午以降の食事が禁じられていたため、修行者の飢えを癒して修行を成就させるために薬として夕食を取ったことからきているそうです。

良かった点

  • 法話ががっつり聞けた
    基本のスケジュールでは法話は曜日固定で実施されるものらしいのですが、今回はラッキーで2日連続で和尚さんのお話を聞くことができました。
    仏教の考え方や坐禅の意義など非常に勉強になる話ばかりで、脳みそが興奮してしまいその後の坐禅が全く集中できませんでした。

  • 飯がうまい
    全体を通して思ったのが、飯がめちゃくちゃうまいということです。
    なんでも献立は和尚様が考えられているそうで、肉は出ませんが煮物や汁物がまあうまい。

最後に

そもそも仏教とは苦しんでいる人の救済をテーマにしていて、禅宗はそのテーマ達成のために「『自分』は無いということ」に気づくことをゴールとしているらしいです。

今回の修行で、自我に対する執着を無くすための手段として坐禅が存在しているのだと理解しました。
仏教的、禅宗的な考えを踏まえてキャリアを考えてみたら色々と妄想が膨らんだので、このあたりはまた別途記事にしてみたいなと思います。

日々の現代的な生活の中では中々自我に対する執着をなくすというのは難しいこと。
機会があればぜひ再度修行に行ってみたいと思います。

ハイプサイクルからハードウェア設計・働き方変革ネタを探してみた

背景

私は現在自動車部品メーカーで機械設計を行っています。最近では会社としてボトムアップの構造変革が求められていると感じています。そこで先端技術を参考に、実現可能性をある程度脇に置いてアイディエーションのきっかけを探そうというのが背景です。今回は実問題解決の案を本気で出すというよりは、アイスブレイク的な思考法にトライすることを目的としました。

ハイプサイクルとは

ご存じの方も多いと思いますが、ハイプサイクルは、Gartner社が毎年発表するさまざまな新興技術に対する関心の高さや普及度合いなどをまとめたグラフのことです。
(参考:https://www.gartner.com/jp/research/methodologies/gartner-hype-cycle)
何らかの技術が登場して期待が高まり、次第に普及していく過程を,
(1)黎明期(Innovation Trigger)
(2)過度な期待のピーク期(Peak of Inflated Expectations)
(3)幻滅期(Trough of Disillusionment)
(4)啓発期(Slope of Enlightenment
(5)生産性の安定期(Plateau of Productivity)
という5つのフェーズに分類します。今回はこのハイプサイクルの項目を設計業務効率改善ネタに応用することを一人ブレスト的に調べながら考えてみました。

参考にしたのは2020年版の先進技術ハイプサイクル https://ascii.jp/img/2020/08/19/3082594/l/01550cd25413eaa7.png

技術キーワードを絞ってみる

・技術があまりにも先端的、実装まで時間がかかると話が収束しなさそう
・キーワード選びに先入観を入れるとよくないので、なるべく無作為に


の観点から、ハイプサイクルの一番右側のものから10個を機械的にピックアップし、それぞれについて考えることをルールとしました。

オントロジ― × 設計スキルの言語化

オントロジ―とはそもそも哲学用語ですが、最近では情報を構造化し整理していく概念として考えられているようです。人の情報をコンピュータで表現させるときに良く使うそうで、自然言語処理分野とかでは馴染みあるかもしれませんね。私は知りませんでした。

昨年設計部署に配属されてから、常々思っていたのは「設計者のスキルって何?」ということ。結局年功序列感はあるし、設計に必要なスキルが言語化されていないので、設計者としてのスキルアップ計画を立てるのにいつも頭を悩ませていました。
そこでオントロジ―を取り入れて設計スキルを共通言語で言語化できるようになればいいのかなと。

データファブリック × 設計エビデンス探索

ネットアップ社によれば、「データファブリックとはオンプレミス環境もクラウドも含め、点在するデータに対して必要な時にアクセスでき、自由に、かつ安全にデータを移動・制御できることを推進したもの」らしいです。少しありきたりな技術だと思いますが、実装面で難しいらしく、時代遅れとネットで叩かれたりしていました。
現部署ではほぼオンプレミスでデータ管理を行っていますが、各イベント毎(設計レビュー、出図など)に設計エビデンスを集める作業があり、それにやたらと工数がとられます。私自身、担当者がコロコロ変わった開発案件の資料整理にかなり悩まされました。そこでデータ管理を一元化&探索の簡易化が達成できればかなり工数を減らせるのでは、と思います。

所感

・最新技術のリテラシーを上げるいい機会になった。
・部署業務に限らず、新しい開発ネタ探しにも使えそう。
・ありきたりな話に収束してアイディアが陳腐に感じる。

【対策】 深堀して具体性を上げる。 もっとサイクルの左側の項目を拾ってみる。

Linkedinでのメッセージから転職電話面談

今回はSNSでメッセージを受け取り、人材会社の方と電話面談を実施した体験について書きます。

経緯

Linkedinにてメッセージをもらった。
最近、やりたいことやスキル・経験をよりわかるように更新したせいか、頻繁にメッセージが来るようになった。


紹介会社


E社・・・転職サイトEの系列会社。定義としては人材コンサル会社らしい。

以下、特徴をまとめます。
・各拠点に支社を持ち、勤務地や業界ごとにコンサルを行う。
・今回は大阪のIT系担当の方から電話をもらった。
・事業ごとに担当を分けているらしい。


担当者の感想


偉そうに担当の方を評価するつもりはありませんが、これまでの筆者がSNS(転職サイト含む)ベースで人材斡旋業の人と面談した感想と比較してみようと思います。

【良かった点】

・キャリアについての考え方がしっかりしていて、会社の利益関係なくアドバイスをくれた。

・長期的な付き合いを求めているので転職を急かしたりしない。
 (Linkedinなど普通のSNSを生業としているエージェントには多そう)

・転職市場における筆者のネガ要素を正直に言ってくれた。
 (IT系の実績と業務経験の少なさです)


【悪かった点】

・担当者が理系でないので技術用語を急に出すと×
 → 基本的にどのエージェントも技術には疎い印象です。
  今回の方は比較的理解がある方だと思います。

・行けそうな求人がなかった
 →これはIT市場に対する筆者のスキルセットの問題です。



聞かれたこと


・今の転職活動状況
 →どこに受けたか、どんな職を受けたか、業務内容など

・何に興味持ってるか
 →何をしたいか、狙う業界など

・現在の業務

・転職理由
・自身の強みは?

・上記の中で転職に対する優先度

その他
・使用するプログラミング言語
・生年月日、居住環境、婚姻状況、希望勤務地

以上を聞かれた後、筆者のイメージしていることとあっているかなど、一言程度の補足とともに、現在紹介できる求人をいくつか提示してもらいました。



エージェントからのコメント


・正直、紹介したようなところでは転職はかなり厳しい
・理由は、実務経験なし 行きたい業界での実績なしがネック


今回筆者が声をかけられた理由


上記の通り、転職探し面談としてはあまり良い結果が得られなかったので、逆質問で色々と聞きました。

・E社では長期的な付き合いを考えている。

・扱う求人は35歳以上の求人だが、それに向けてのポテンシャルを考慮して声をかけてる。

・理由は、非ITにも関わらずデータ分析コンペやハッカソンなどに取り組む姿にポテンシャルを感じたから。

・某大手の転職サイトとかでは3か月ぐらい活動ないとブラックリストに載り声がかからなくなるが、E社はしない。

・部署移動や転職などでスキルアップして上記ネックポイントを解消できたら紹介できるかも。




キャリア選択に向けたアドバイス


面談終盤はキャリア選択についてアドバイスをもらいました。

・3~5年経って違う業界に行こうとするなら、動くのは今。

・キャリアが固まってしまうので、今なら第二新卒とかなら可能性あり

第二新卒はポテンシャル採用。ベンチャーとかならなりそう。

・今できる限り動いて社外実績などためて転部なども行う。

・実務で英語が使える人。海外論文を読み業務に反映させられる人が重宝

・5~10年後海外の優秀な人が流れてくるので、その中で成果を上げないといけない
 →海外実務経験を積めるところへの転職もあり


などなど、さまざまなコメント頂きました。
転職サイト、更新頻度少ないと求人来なくなるみたいです。笑

キーワードとして出てきた「第二新卒」の定義ですが、筆者も良く混乱してしまうワードです。

良く転職サイトに出てきますが、
求人タイトルに「第二新卒歓迎!」とか書いてあるのに、
MUST要件を見てみれば「~の実務経験3年以上」とかざらに出てきます。
そもそも第二新卒の定義って何なんでしょうか…

今回の担当者曰く、

『2~3年目。1年目は新卒。年齢は関係ない。』

だそうです。(良かった、博士もいけるやん!!)

転職先の選び方


最後に転職先の選び方についても教えて頂きました。
エージェントがIT担当なので、IT民の転職に限った話になります。

ソフト受託開発系はおすすめしない。
 →トップダウンの作業になるので便利屋扱い。ひょっとしたら色んなデータを扱い分析力だけ身につくかも。

「色」がある会社が良い。
 →医療系の画像に特化、ロボットのみ扱う、など会社の軸がある場合、業務を通して作業+コアスキルが身につく。

あくまでエージェントの方の意見ですが、近々で上記の選択で迷ってる方がいるのであれば参考にはなるのかもしれません。

最後に


今回は専門に特化したエージェントでしたので、業界のことを詳しく聞けました。
これまでの筆者の体験では、「機械系に特化!」「電子部品メーカーに強み」とかを前面に出すエージェントの方も多いですが、
少し技術の話になると話が通じなくなってしまうので、今回のような担当者の方は良かったと思います。

また、転職サイトを通して活動していて苦い経験があるので(下記)、明日にでも転職したい!という方以外にはLinkedinを使った転職活動はおすすめできます。

博士号取得者が修士生に混じって一般企業に就職した話【入社一年目の転職活動③】 - 徒然博士の日常


筆者のゆるい転職活動は、まだまだ続きます。笑

外出自粛状態における飛行機移動について

先日、非常事態宣言が一部地域で発令される中、必要・急な用のため大分県に移動しました。 その際、事情により飛行機やバスを使って移動しましたので、コロナ感染リスクの観点からこのご時世おける公共交通機関の現状についてレポートします。

ちなみに筆者は大分県からはかなり離れたとこに住んでいる、且つ急を要する事情であったため、上記の交通インフラを使用するしかなかった、ということが前提です。

飛行機について


平日の早朝ということもあり、空港に着くと人はほとんどいませんでした。
空港までは3密防止を意識して車で行き、この時工場地帯を通ったのですが、テレワークで外出している人が減少した、ということは全く感じませんでした。

想像以上に道が混んでおり、何とか空港ロビーに到着したのですが目的の便の数分前ということもあり、チェックインカウンターで担当者の方に登場できない旨を伝えられました。
(その空港では20分前までに保安検査を通らないとアウトだそうです。)

搭乗目前で目的が達成できず打ちひしがれていたところ、担当の方から。「福岡行きの便なら一時間後にあるから、そこからバスで大分い向かうのはどうか」という提案を受けました。

そもそもそんなに席が空いているのかと疑問に思っていましたが、そんなことはなくそのまま福岡行きのチケットを取ってくれました。さらに福岡から大分行きのバスも調べてくれるとおう神対応。(ちなみに利用した航空会社はA○Aです。)

ここで気になるのは乗れなかった便のお金。搭乗は打ち切られましたが出発時刻がまだだったので、ダメもとでチケットを予約したサイトにアクセスしてみると、コロナの影響でやむ負えず旅行をキャンセルする客のために期間限定でキャンセル代を無料にするとのこと。すかさずキャンセル申請しました。こんな形でコロナに助けられるとは。

機内の様子

予定より少し遅れましたがなんとか飛行機に乗ることができました。昨今コロナでソーシャルディスタンスが懸念されていますが、席についてあることに気づきました。

筆者が搭乗した機体のシート配列は3列シートが2ブロック(つまり横方向にA~C/通路/D~Fという配列)あるもので、そのうちA~C席またはD~F席に一人が座るような形で人が座っていました。

コロナ対策の一環で、できる限り人との距離を取るよう配慮された配置となっていました。 込み具合はというと、50席(本来ならその3倍がMax搭乗者数)ほどあるうちの20席ほどしか人がいなかったので、朝の通勤電車に比べればはるかに開放空間となっていました。

チケットを取る際は窓側か通路側かを聞かれたのですが、実際乗ってみると隣に誰もいないので、ルール的にはグレーですが好きなように座れると思います。

【コロナ感染リスク】・・・5段階で筆者の独断と偏見で評価。★の数ほど感染リスク高。
飛行機:★★★☆☆(空いている電車と同レベル)

長距離移動バス

福岡に到着後は大分に行くバスに乗車しました。空港の出口すぐにバスのチケットカウンターがあり、そこでバス乗車券を入手することができます。所要金額は3,500円程度。

バスの状況はというと、さすがに減便はしてるみたいですが、普通に乗れました。しかも乗車客は筆者しかいませんでした。

もし仮に乗客以外に感染リスクがあるとすると、以前に乗車していた人あるいは運転手がコロナに感染している状態ぐらいです。

気になった点は、大分までの途中でバスの乗り換えがあり、乗り換え後は筆者の他に5~6人乗車していましたが、席が前から埋められる形式だったことです。
座席指定のバスでしたが、もう少し配置に配慮してほしいところ。


【コロナ感染リスク】
長距離バス:★★☆☆☆(友達の家に一人で遊びに行く程度)


以上、公共交通機関の現状でした。個人的には飛行機やバスではそこまでコロナ感染リスクは高くないのかなと思います。しかし、私が感染しなかった保証はないですし、私が感染していたとして公共交通機関使用により感染を広げてしまった可能性を否定できません。GWで飛行機やバスを用いた帰省を検討中の方に少しでも参考になればと思います。帰省シーズンになると上記の状況より人が多いことは容易に想像できますので、その辺りも理解した上で行動されるのが良いかと思います。

博士号取得者が修士生に混じって一般企業に就職した話【入社一年目の転職活動③】

転職を真剣に考えてみて、結局残留を決めた話です。

転職辞退理由

私の一個人の話なので、賛否は分かれるところであると思います。
前提として、材料からアッセンブリーや消費者が使う製品にキャリアシフトしていきたい、という思いで研究畑を少し離れて企業に就職しました。
今回の案件は、福利厚生や専門マッチング、上司の有能さなどは非常に良い案件だったのですが、部品メーカーに入社し異分野の大海に出て間もない私には材料研究の世界に戻るという選択を選ぶことができませんでした。
 会社で人脈が広がり、いろいろな自己啓発スキルアップ活動に参加できたというのも残留理由です。

転職活動を振り返り

結局は自分のコア技術しか会社は見てくれないということは痛感しました。
私は磁石の研究をしていましたが、研究室では誘電体や電池なども扱っていたためそこそこの知識はあるのかなと甘い考えを持っていましたが、少しでも磁石から外れると全く相手にしてくれませんでした。

また、転職サイトに良く見かける「第二新卒」というフレーズにも落とし穴があります。
私は、「第二新卒とは」業務や風土のマッチが合わなくなった人のための受け皿という認識でしたが、求人を見てみると3~5年程度のその分野(しかもやたらと具体的な業務)での実績、場合によっちゃプロジェクトリーダー経験なども問われるようなものでした。(そのくせ安月給の場合もあります)
あるいは求人では非常に広い分野の募集をかけておいて、選考に進めると特定の分野しか相手にされないようなものも。
さらには短期離職にそもそもあまり良いイメージを抱いていない企業もあります。

転職活動の後処理

今回の案件ではエージェントQを利用していました。 転職しない旨をQに伝えたときのやたらと噛みつかれたけどなんとか逃げ切れました。

Q「私さん、言うてることがめちゃくちゃじゃないですか」
Q「こっちもA社(転職先)との関係があるのに、今更困ります。」

困るも何も、この前までQは『現社内でも活躍できる場を探すべき』という意見であったのですが、『社内でもやっていく兆しが見えたから転職しない』という説明もむなしく、最後まで納得いっていない様子(あるいはそう見せる態度)で感情論を押してきた、という印象です。

エージェントの収入減は転職先企業から金銭の謝礼です。
謝礼の相場は転職者の給料の3か月分なのだそう。Qからすると「目の前まで来たカモネギ」をやすやすと逃がす手はないのです。
最後はなかなかヒートアップされましたが、なんとか企業へ直接私が謝罪メールを送ることで終息しました。
本来エージェントが入ると企業と応募者が直接連絡を取ることがないのですが、今回は特別だったようです。
注釈ですが、企業側からも辞退理由に納得を頂けましたので、納得していないのはQだけです。
お金が絡む&そもそも技術に詳しくないエージェントだと、こちらの考えが中々伝わりにくい部分もあると思うので、代理人を立てた転職活動はそこが難しいのだと思います。(これらを総合してエージェントの質と言えるのかもしれません。)


転職とは


「いつでも転職できるを武器にする」とは良く言われますが、私も同感です。
なぜなら、私のように配属ガチャで失敗してしまった場合、自分の「キャリアに対する納得感」が極めて低い状態になっているので、 転職を真剣に考えてみた結果として、たとえ現職に残ったとしても転職活動をする前とは上記の「納得感」が全然違います。
「納得感」は自分の考え(=軸)がどれだけ強固であるかを表すものなので、 この「納得感」こそ自分のパフォーマンスを引き出すに非常に重要な要素だと思います。

私の周りには何人か博士課程に進んだ人がいますが、自分の博士の道を見失い病んでしまった人も何人かいるのも現状です。
「なぜ自分はこうなりたいのか」を突き詰めていった答えが現在のキャリアであるはずなので、 これを真剣に考えておくというのは、自分のキャリアに責任を持つということです。
自分で責任を持つならば、今の職場で手を抜くということはできないはず=自分のパフォーマンスが上がることにつながると思います。 (もちろん様々な職場環境で自分のモチベーションは左右されますが)


あと、そこそこ良い転職先が見つかったとして、「転職しなくてもしてもどっちでもいいかな」と思うのであれば転職することをお勧めします。
これは、友人に言われてハッなった「この先転職が当たり前の世界になるから今の内に転職を経験した方が良い」という考えに基づきます。
この考えは、チャラ男が童貞男子に良く言うフレーズを応用したものだと、個人的に思います。
すなわち「本当に好きな人(=会社)が見つかったときに動じないように、だれでもいいから初体験(=初の転職)を済ませておく」

早く転職童貞を卒業したいなと思います。

博士号取得者が修士生に混じって一般企業に就職した話【入社一年目の転職活動②】

今回は転職サイトにて連絡を取った転職エージェントとの電話面談の議事録を書いてみました。 エージェントにもよりますが、今回はあまり主張を理解してもらえなかったパターンです。

【エージェントについて】
某転職サイトより連絡受けた、元B社社員。
今回はB社の求人に関する面談。

【私について】
材料系博士。学生時代は、「産業界で活躍できる博士を育てよう」という趣旨のプログラムを副専攻として履修。
現在は某メーカ―に勤務し、スキルが身につかない、成長できる環境がないことから転職を考えている。

【状況】
すでに履歴書と職歴書は送付済。
すでに応募したB社の職種以外の求人も提示できるということで電話面談を実施する流れになった。

面談内容

A「こんにちは。Aです」
私「私です。よろしくお願いします。」

(Aはすでに送付した履歴書を見ながら面談をしてる様子)
A「ところで副専攻って何?どういうこと?」ちょっと不機嫌そう
私「博士号に付加価値をつけるプログラムも取っていた、ということです。」
A「これじゃわからんから消していい?」
私「は、はい」

A「じゃあ転職理由を聞かせて」


――――転職理由を説明————
・自分の市場価値を高めるため、材料から離れてもいいから機・電・情報系を学びたくて現会社に入社。
・しかし、入社理由を達成できる環境ではない+移動に3年かかるがこれはリスクと思い転職をしている旨を説明。


A「全然転職理由になってないよね」
私「?」
A「今までと違うこと学びたいって、そもそも会社はそんなところじゃないよ」
A「(現職の仕事内容を見て)ある程度専門性考えられたところじゃない? きっと会社として何か意図があってここに配属されたんだよ。」
A「だから3年リスクって聞くとそもそもなんで入社したの、ってなっちゃうよね。」
私「今、仕事内容が変わって別の材料を扱っているんです。(職歴書に記載した内容を説明)」

A「なるほどね、じゃあまだわかるかな。」
(そもそもの現会社に入社した理由から否定されている気がした…)

A「じゃあ、もっと材料研究したいわけだ」
私「いえ、そうではなくて…」
A「いきなり違うところなんて無理でしょ?だから専門近いところでとりあえずやってみて後はそこから考えるべきなんだよ」
私「は、はあ」

A「材料研究ということは、こういうところに応募する感じでいい?」
(半導体材料の開発の部署を提示される)
私「良いですが、他のところにも応募できたりできますか?」
A「それは第二新卒の考え方だよね。あなたドクターだからそれは違うよね。」
私「は、はい」
A「まかせて。僕に任せればB社は余裕だから」


振り返り

 今回の面談相手は、ベテランでどちらかと言えば頑固なタイプのエージェントでした。 言われたことは正論です。そもそも博士の就職のあるべき姿は「研究と職種のマッチング」です。一方、今回のAさんにはNoと言われましたが、博士が第二新卒扱いになるかどうかに関して、私は権利としてはあると思っています。(第二新卒の定義が曖昧なので)
 現に、募集職種を見てみても、経験年数不要とあるところであれば、博士のソフトスキル(論理的思考力、コミュ力、課題発見・解決力)が貢献できることは間違いないと思います。ただ、年齢や博士というイカツい経歴があれば企業側から敬遠されてしまう、というのも転職を通じて感じているところです。

博士が新しい技術をつけていくのは、本人のこだわり以外にも世間からのバイアスによって阻害されるのかもしれません。

博士号取得者が修士生に混じって一般企業に就職した話【入社一年目の転職活動】

転職活動を通してある程度分かってきた、入社一年目での博士の転職市場の実態についてレポートします。

転職先の探し方のパターン


転職先の探し方は大別して4つあります。

1.ヘッドハンティングを受ける

2.転職サイト(SNS)のマッチングサービスを受ける

3.直接応募する

4.知り合いに紹介してもらう

転職サイトは求人票とのマッチングを行うSNSのようなもので、求人を出している企業と直接連絡をとる、あるいは求いくつかの求人票を扱う転職エージェントと連絡を取るという2種の進め方があります。

エージェントとは、馴染みのない人にはわかりにくいものかもしれないが、簡単に説明すると、 企業に人を斡旋して入社させることで企業からお金を受け取る(転職者の年収の~十パーセントほど)ことで利益を得る業者のことです。

転職法を選ぶ

各方法には特徴があります。

まずコスト面。
ここでのコストというのは、利用者(転職希望者)が支払うコストのことではなくて、採用側にかかるコストのことです。

1.ヘッドハンティングは、同業種(競合他社のイメージだと思います)の人を自社へ引き抜くわけですから、転職をそもそも考えていない人(=転職障壁が高い、転職コストが高い人)を相手とするので、引き抜く企業側は高い水準の給与・待遇を用意する必要があります。

一方、2.の転職サイトでは、前述の通り
 A. 企業直接連絡型
 B. エージェント型
の2種類があります。転職サイトでは職歴書などの自己PR書類をもとにマッチングアプリ方式でやり取りします。つまり、掲載されている求人に対してアクション(フォロー)し、企業の担当者あるいはエージェントがリアクション(フォローバック)するとメッセージを交換する、という流れです。(企業やエージェントからアクションがある場合もかなりあります。)

ここで、エージェントは面接をセッティングしたり、転職アドバイス、賃金交渉などを行ってくれます。 掲載される求人は、企業HPにも記載のない非公開求人も紛れていますので、余力があれば転職サイトを複数使用してもよいかもしれません。 また、転職サイトにもどういう職種、年齢層に強いかなどのカラーがあります。

個人的な意見だと、こんな感じです。

第二新卒 ⇒⇒⇒ リクナビリクルートエージェント

・中堅技術系 ⇒⇒⇒ ビズリーチ

ベンチャー、ソフト関係 ⇒⇒⇒ Wantedly 

(・海外含め専門性マッチング ⇒⇒⇒ Linkedin) 


3.の直接応募は企業の採用ページから直接応募する形です。

したがって、コストの順番は

1 >2B >2A >3,4

となります。

この序列は、別の差別化要因を生みます。 それは、求人ポストの重要度です。

企業にとって重要なポストに一番コストをかけるのは当然です。 あるいは早くポストに見合った人を募ってポジションを埋めたいと考えているのであれば、転職サイトのマッチング機能を使うのが良いと考えられます。 したがって、先ほどのコスト序列はポストの重要度を表していることにほかなりません。

また、転職先の探し方パターンではそれぞれビジネスモデルが違うことにも注目しなければなりません。 1のヘッドハンティングの場合や2Aの場合では、企業が出す条件と転職者の能力がマッチしているかが転職が成功するかをはっきり決めます。企業側からすれば、提示した条件に達しない人を採用しても本末転倒です。

しかし、エージェントは「候補者を転職させた後、転職先企業から金銭を受け取る」というスタンスです。したがって、エージェントからすれば「会社に入れてしまえば勝ち」なのです。実際にエージェントの人とやり取りしていると、そんな下心が見えるような人には巡り合いません。しかし、このことを頭に入れておかないと、実際に自分が求めている仕事に就けるかは分かりません。なぜなら、自分の希望と転職先の実情は異なっている場合でも、エージェントは「入れてしまえば勝ち」なので必要以上に転職させるように働いてもおかしくありません。

入社一年目博士社員の転職

以上を踏まえて、自分の転職法を考えてみますと、
私の場合、社会人経験がほとんどないので第二新卒、あるいは博士研究を実務経験として考えると若手~中堅社員の枠で転職活動をすることになります。
結論から言うと、博士であれば専門性を武器にすれば就職先はあります。

しかし、多くの製造業では「3年縛り」というものが存在します。これは、「何かの専門性を身に付けるためには3年程度の時間が必要」との考えからきていると考えられます。野球の大谷翔平選手も1か月だけ野球をして有名になったわけではありません。一流になるにはそれなりの時間が必要です。なので、この考えにはagreeです。

一方、博士の場合はどうでしょうか。博士は3年ほどかけて専門性を磨きます。社会人になり、修士卒の学生とは3年ほどの年の開きがあります。 ですので、社会人になりたての「3年」をどう使うかは非常にシビアな問題です。私自身、現職の環境ではあまりスキルを身に付けられると思わないので、そこに「3年」を費やしてしまうと30歳になってしまいます。この間にも、学生時代死ぬ思いで磨いた専門性は失われていきます。

このような博士特有の悩みは、認知こそされていないですが、実際の転職面接では理解してもらえることがほとんどです。(私の少ないN数に基づく見解ですが)

まとめ

転職のやり方はいろいろとありますが、それぞれの特徴を理解したうえで活用することが重要だと思います。
また博士であれば3年程度の専門分野における実務経験有と評価されることも多いので、修士に比べると短期離職のリスクは少ないと思います。
修士生でも早期転職した人を何人か知っていますが、情報系の学生が多い印象です。
転職活動を始めてみて思うことは、自分(特に20代の若手)の市場価値は「需要の高いスキルセットを持っているか」で決まるということです。いかにそこを伸ばせるかが今後の人生が充実するかに大きく影響するのだな、と改めて思いました。

参考

ちなみに転職活動についての考え方について、この本は結構参考になりました。

https://www.amazon.co.jp/%E3%81%93%E3%81%AE%E3%81%BE%E3%81%BE%E4%BB%8A%E3%81%AE%E4%BC%9A%E7%A4%BE%E3%81%AB%E3%81%84%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%84%E3%81%AE%E3%81%8B-%E3%81%A8%E4%B8%80%E5%BA%A6%E3%81%A7%E3%82%82%E6%80%9D%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%82%89%E8%AA%AD%E3%82%80-%E8%BB%A2%E8%81%B7%E3%81%AE%E6%80%9D%E8%80%83%E6%B3%95-%E5%8C%97%E9%87%8E-%E5%94%AF%E6%88%91/dp/4478105553/ref=sr_1_1?adgrpid=55094842762&gclid=Cj0KCQiApt_xBRDxARIsAAMUMu_KiTBWRlp135HpNlUlT4SJT3XUuD9WXeoHWEbRvVcDutrKjT2hWGMaApnFEALw_wcB&hvadid=338530858548&hvdev=c&hvlocphy=1009449&hvnetw=g&hvpos=1t1&hvqmt=e&hvrand=3686756908992784342&hvtargid=aud-759242200006%3Akwd-461629914678&hydadcr=17958_11158971&jp-ad-ap=0&keywords=%E8%BB%A2%E8%81%B7%E3%81%AE%E6%80%9D%E8%80%83%E6%B3%95&qid=1581163606&sr=8-1

上記の転職先の探し方から考え方、そもそもの転職市場の原理などもフィクションのストーリーベースでわかりやすく記述されていて、おすすめです。