徒然博士の日常

体験の言語化や自己啓発用

博士号取得者が修士生に混じって一般企業に就職した話【入社一年目の転職活動②】

今回は転職サイトにて連絡を取った転職エージェントとの電話面談の議事録を書いてみました。 エージェントにもよりますが、今回はあまり主張を理解してもらえなかったパターンです。

【エージェントについて】
某転職サイトより連絡受けた、元B社社員。
今回はB社の求人に関する面談。

【私について】
材料系博士。学生時代は、「産業界で活躍できる博士を育てよう」という趣旨のプログラムを副専攻として履修。
現在は某メーカ―に勤務し、スキルが身につかない、成長できる環境がないことから転職を考えている。

【状況】
すでに履歴書と職歴書は送付済。
すでに応募したB社の職種以外の求人も提示できるということで電話面談を実施する流れになった。

面談内容

A「こんにちは。Aです」
私「私です。よろしくお願いします。」

(Aはすでに送付した履歴書を見ながら面談をしてる様子)
A「ところで副専攻って何?どういうこと?」ちょっと不機嫌そう
私「博士号に付加価値をつけるプログラムも取っていた、ということです。」
A「これじゃわからんから消していい?」
私「は、はい」

A「じゃあ転職理由を聞かせて」


――――転職理由を説明————
・自分の市場価値を高めるため、材料から離れてもいいから機・電・情報系を学びたくて現会社に入社。
・しかし、入社理由を達成できる環境ではない+移動に3年かかるがこれはリスクと思い転職をしている旨を説明。


A「全然転職理由になってないよね」
私「?」
A「今までと違うこと学びたいって、そもそも会社はそんなところじゃないよ」
A「(現職の仕事内容を見て)ある程度専門性考えられたところじゃない? きっと会社として何か意図があってここに配属されたんだよ。」
A「だから3年リスクって聞くとそもそもなんで入社したの、ってなっちゃうよね。」
私「今、仕事内容が変わって別の材料を扱っているんです。(職歴書に記載した内容を説明)」

A「なるほどね、じゃあまだわかるかな。」
(そもそもの現会社に入社した理由から否定されている気がした…)

A「じゃあ、もっと材料研究したいわけだ」
私「いえ、そうではなくて…」
A「いきなり違うところなんて無理でしょ?だから専門近いところでとりあえずやってみて後はそこから考えるべきなんだよ」
私「は、はあ」

A「材料研究ということは、こういうところに応募する感じでいい?」
(半導体材料の開発の部署を提示される)
私「良いですが、他のところにも応募できたりできますか?」
A「それは第二新卒の考え方だよね。あなたドクターだからそれは違うよね。」
私「は、はい」
A「まかせて。僕に任せればB社は余裕だから」


振り返り

 今回の面談相手は、ベテランでどちらかと言えば頑固なタイプのエージェントでした。 言われたことは正論です。そもそも博士の就職のあるべき姿は「研究と職種のマッチング」です。一方、今回のAさんにはNoと言われましたが、博士が第二新卒扱いになるかどうかに関して、私は権利としてはあると思っています。(第二新卒の定義が曖昧なので)
 現に、募集職種を見てみても、経験年数不要とあるところであれば、博士のソフトスキル(論理的思考力、コミュ力、課題発見・解決力)が貢献できることは間違いないと思います。ただ、年齢や博士というイカツい経歴があれば企業側から敬遠されてしまう、というのも転職を通じて感じているところです。

博士が新しい技術をつけていくのは、本人のこだわり以外にも世間からのバイアスによって阻害されるのかもしれません。